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ミクロとマクロの往還ーかみがつくる宇宙より インスタレーション”白夜”について 2024年
グループ展
”ミクロとマクロの往還ーかみがつくる宇宙”展
October 19 , 2024 - January 13, 2025
日本に帰国してからのこの3年間、幾度となく地震や自然災害に見舞われる日本列島というフラジャイルな環境において、改めて無防備な存在として暮らしていることを実感させられる。普遍だと思われていた”大地”という概念が揺らぎ始めた。
1999年に開始した、線によるドローイング・カッティングを用いた地層(strata)のプロジェクトは、表現の大きな転換期を迎えていると感じる。当初は、人・自然・時間のシンクロニシティを具現化することを目指していたが、今回は、その統一された線を一旦分断し、それぞれ異なる速度で積み重なる地層の差異と反復、さらに個々の時間によって重なった紙の層がランダムに配置され、テーブル上のインスタレーションとしてもう一つの脱領土化された地を形成している。
本展では、特殊照明作家の市川平氏とのコラボレーションが実現した。彼の光源によって照らし出されるディテールを近視眼的に追いかけ、または巨視的な視点からの眺めを、沈まぬ月明かりの情景に眺めてみたいと思った。
さらに、壁には唯一の本の作品が、サテライトのように配置される。2008年に制作したエド・ルシェの書籍をカッティングした作品 Then & Now を、2024年版として再制作した。ルシェ作品は、私の「本を切るプロジェクト」においてマイルストーン的な位置を占めており、今回の再制作は、内在化された記憶や時間の軌跡を相対化する機会となった。
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